猫と英語と

英語の勉強の事。猫の事。

猫と口内炎その2

こうして(猫と口内炎その1)始まった彼女と私の口内炎との闘い。

まず最初の課題は、彼女の全身状態を上げる事と、何より人馴れだった。

 

 

急がれる人馴れ

お外っこや保護っこを預かったり保護した場合、人馴れをさせる必要がどうしても生じる。それはお互いの為でもある。猫にとっても怖い何かと一緒に暮らすより、甘えれば自分たちにとって気持ち良い事をしてくれる安心できる下僕と暮らした方が何倍もストレスが無い。

 

この人馴れのスピードは本当に猫によってそれぞれ違う。本来私はゆっくり人馴れ訓練をするタイプなのだが、彼女に関してはそうは言っていられなかった。今後の事を考えても、抱っこはマスト、口を触れるようになる必要があった。最初は孫の手、それから柄の長いブラシ、そして手と、徐々に触れる距離を詰めていく。おやつのちゅーるは必ず指から舐めさせる。手で撫でれるようになったら、顎から鼻、お口周りと触れるところを増やしていく。初期治療でのお口の小康状態は数か月しか持たなかった。その小康状態の間にどれだけ彼女の信頼を得られるかが、最初の関門だった。

 

幸い、彼女は少しづつ心を開いてくれ、数か月後には条件を整えれば、抱っこをすることも出来るようになった。ところがそのあたりでタイムリミットが来た。やはり一気にお口の状態が悪化し出したのだ。病院でステロイドを打ってもらう。1か月は持っていたものが3週間しか持たなくなり、2週間になりその度に悪化していく。

 

 

再度の抜歯手術

ご飯を食べさせる事が闘いになってきた。なんとしても食べてもらいたい私と、お口が痛く食べたくない彼女。ケージの隅に彼女を追いこみ、タオルをかけ、ある程度動きを拘束して、口元に無理くりウエットフードを押し込む。顔をそらされ、吐き出されても一定量を何とか食べさせる。この時期は1回の食事をさせるのに1時間近くかかっていた。ご飯には各種サプリを混ぜ込んだ。ご飯後に消毒用のサプリを口に含ませた。それでも状態は悪化していき、まだ彼女の状態が悪くなり切る前に、全抜歯をすることにした。

 

猫の抜歯では一つ気を付けることがある。特に口内炎が酷く歯が溶けてしまっていた場合、根の奥の部分が歯茎の奥に残ってしまっている事がある。当然目視ではわからずレントゲンの検査が必要になり、そこまで綺麗に取り除かないと、後々残った根が腐りだし炎症が再発する。

 

その為、オペ中にレントゲン検査が出来る、歯科を専門にしている動物病院に通う事にした。そこでも、全抜歯をしても、完治は難しいかもしれないと言われたが、今のままではどうにもならない為、まずは抜歯手術を行ってもらった。

 

 

ステロイドと付き合う

手術後、彼女は毎日1錠のステロイドを服用した。病院から処方されたものはそれだけだ。後は私が選んだ各種サプリ。まあ、ありとあらゆるものを試した。1日1錠のステロイドの服用は2か月に及んだ。2か月後ステロイドの減薬が始まった。この時の彼女のお口の状態だが、舌のざらざらとした突起は再生された。口蓋の皮膚はまだ赤い。歯茎はまだ血が滲んでいる。それでも、相当痛みは軽減されていたようで、食欲は安定していた。最初は先生の提案通り、ステロイドを1日起きにしてみた。がこれは無理だった。数日でお口の状態が悪化。即座に1日1錠に戻した。再度2週間1錠を続け、お口の状態が安定したことを確認し、1日3/4錠に減薬。1か月後さらに1日1/2錠に減薬。

 

そこから1日1/3錠、1/4錠、1/6錠、1/8錠と減薬をしていき、完全にステロイドを飲まなくても良くなるまで、全抜歯手術から1年がかかった。減薬もスムーズにいったわけではない。天候等で彼女が体調を崩すと、当たり前にお口の中も状態が悪化する。その度に量を増やしたり減らしたりを繰り返した。1/8錠のステロイドを1日置きにし、2日置きにし、3日置きでもお口が安定してから、断薬。そのあとは一度も再発していない。ぴっかぴかの綺麗なお口を維持している。

 

 

サプリメント

ステロイドだけで治った訳ではない。ステロイドで表面を落ち着かせている間に、彼女自身の回復力で口の皮膚の組織を再生してもらう必要があった。そのためには彼女の免疫力を高めるしかないのだが、彼女はエイズ陽性。そうでない子よりも時間がかかった可能性が高い。

彼女の免疫、細胞再生力を上げるために、良いとされているサプリは殆ど試したと思う。結論から言えば、彼女ほど状態が悪化してからでは、サプリはほぼ役に立たないという事だ。長期ではわからないが、短期的には状況を改善する手立てにはならない。だからこそステロイドが手放せなかったのだ。

 

まずは栄養。ビタミン剤に乳酸菌、植物発酵エキス、ナットウキナーゼも使ってみた。フィッシュオイル、バランスα、ケイズマイスター。漢方にも手を出した。消毒系も色々試した。

漢方は何しろ彼女のお口に合わず、お互いストレスが上がるので早々に却下したが、ルミンAは初期に相当お世話になった。全抜歯前、数か月状況が持ったのは、ルミンAのおかげだと思う。

デンタルバイオ、プロバイオテクス、アイオニックシルバー、ユッカインテンシブ姫マツタケ、Dフラクション、ミナスプロン、アロエベラジュース、ついでにきえ~る。

ビタミン剤、乳酸菌、植物発酵エキス、フィッシュオイル、これらは長期使用で明らかに効果を出したと思う。免疫力維持にはDフラクション。

 

中期的にお世話になったのはアロエベラジュースだ。全抜歯から中盤くらいまでお世話になった。終盤、彼女の口の中がほぼ綺麗になって、炎症が歯茎だけになったころから使わなくなった。中盤から終盤にかけて、状況を一気に変える事に一役買ったのがミナスプロン。最初は設定量を口に含ませてたのだが、ミナスプロンの強力な殺菌作用は炎症を起こした彼女の皮膚には刺激が強すぎ、状態が悪化するため使用していなかった。ただ、どうにも彼女の鼻ずまりとそれに伴う腫れが気になり、毎日1滴だけお鼻につける事を始めてみた。幸運な事にこれがハマった。鼻が徐々に良くなると同時に口の中の炎症もどんどん良くなりだしたのだ。

 

終盤から完治まで効力があったのはフィッシュオイル、乳酸菌、植物発酵エキスのセットだ。フィッシュオイルは随分前から使っていたのだが、濃度の濃いものに変更した。そこに乳酸菌、植物発酵エキスをセットで加えてから、どうしても良くなってくれなかった、上の歯茎の炎症が徐々に治まっていってくれ、ついには完治することが出来た。

 

これだけのサプリを毎日確実に食べされられた理由は、途中から食事が強制給仕になったからだ。彼女を抱っこし、タオルで包み、指でウエットフードをすくい、口の中に入れる。お口の中心から治っていって、最後まで歯茎の唇側の炎症が残った彼女にとっても、私が指で口の中まで食べ物を運んだ方が、自分で食べるより炎症部位に触れなかったらしく、あっという間にお気に入りの食べ方となった。なので希望的強制給仕スタイルと呼んでいる(笑)

 

いや~、下世話な話をすると、いったいいくらかかったのか、考えたくもない(笑)

それでも、綺麗なお口で痛み無くご飯をはむはむ食べている彼女を見ると、保護したときの約束が果たせて本当に良かったとほっこりしてしまうのだ。